ARDS患者での食道内圧ガイドPEEP調整にベネフィットなし:EPVent2試験
Effect of Titrating Positive End-Expiratory Pressure (PEEP) With an Esophageal Pressure-Guided Strategy vs an Empirical High PEEP-F io 2 Strategy on Death and Days Free From Mechanical Ventilation Among Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome: A Randomized Clinical Trial
背景
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者においてPEEP(呼気終末陽圧)を調整することで、肺損傷を予防しアウトカムを改善することが期待されている。Columbia UniversityのBeitlerらは、人工呼吸を受ける中等度・重症ARDS成人患者において、食道内圧をガイドとしたPEEP最適化またはFiO2による経験的な高PEEPを割り付ける第II相ランダム化比較試験を実施した(n=200)。
結論
28日目までの死亡は食道内圧ガイドPEEP群32.4%・経験的PEEP群30.6%、28日目までの生存者での人工呼吸器不要日数はそれぞれ中央値22日・21日と差はなかった。一次アウトカム(28日目までの死亡および生存者での人工呼吸器不要日数からなる複合スコア)にも群間差はなかった。食道内圧ガイド群でレスキュー治療が少なかった(3.9% vs. 12.2%)ほかは二次エンドポイントにも差はなかった。
評価
患者個別的な換気戦略は模索が続いているが、この研究からはARDS患者における食道内圧ガイドPEEP最適化は支持されなかった。