敗血症性ショック患者での治療目標は乳酸値よりも末梢循環状態?:ANDROMEDA-SHOCK試験
Effect of a Resuscitation Strategy Targeting Peripheral Perfusion Status vs Serum Lactate Levels on 28-Day Mortality Among Patients With Septic Shock: The ANDROMEDA-SHOCK Randomized Clinical Trial
背景
敗血症性ショックでの末梢循環不全は臓器障害・死亡リスクと関連するが、蘇生指標としての役割は十分検証されてこなかった。チリPontificia Universidad Catolica de ChileのHernandezらは、5ヶ国28施設のICUにおいて早期の敗血症性ショック患者を、標準化されたcapillary refill time(毛細血管の再充満時間)または血清乳酸濃度に基づく蘇生戦略に割り付けるランダム化比較試験を実施した(n=424)。
結論
28日死亡率は、末梢循環目標群34.9%・乳酸目標群43.4%であった(ハザード比0.75、非有意)。末梢循環目標群では72時間時点での臓器不全が少なかったが、他6つの二次アウトカムに差はなかった。試験プロトコルに関連する重篤有害事象は確認されなかった。
評価
非有意ながら8.5%の死亡率差が見られた。指先を圧迫し皮膚色が元に戻るまでの時間から末梢循環状態を評価するという原始的ともいえる手法が、繰り返しの乳酸値測定よりも有用な可能性があるという驚きの結果で、より大きな試験での確認が正当化される。


