ICU人工呼吸患者の8割で喉頭損傷:系統的レビュー
Laryngeal Injury and Upper Airway Symptoms After Oral Endotracheal Intubation With Mechanical Ventilation During Critical Care: A Systematic Review

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
December 2018
46
開始ページ
2010

背景

人工呼吸を受けるICU患者では、挿管による喉頭損傷が手術時挿管よりも一般的と考えられる。Johns Hopkins UniversityのBrodskyらは、システマティックレビューによりICU人工呼吸患者で抜管後の喉頭検査を行った研究を検討した。

結論

775名の患者を含む9件の研究が基準を満たした。平均挿管日数は8.2日であった。喉頭損傷の有病率は82%であった。多くは軽度の損傷であったものの、13-31%は中等度・重度であった。抜管後の臨床症状として、発声障害(76%)・疼痛(76%)・嗄声(63%)・嚥下障害(49%)が報告された。

評価

人工呼吸後患者の喉頭損傷が、(多くは軽度にとどまるとはいえ)非常な高率で存在することを明らかにした。評価の遅れは症状の長期化につながるおそれがあり、標準化されたスクリーニングが必要とされる。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)