ICUでのベンゾジアゼピンは神経精神医学的リスク:系統的レビュー
Benzodiazepine Use and Neuropsychiatric Outcomes in the ICU: A Systematic Review

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Critical Care Medicine
年月
October 2018
46
開始ページ
1673

背景

ICUでのベンゾジアゼピンの使用はせん妄などのリスク因子とみられている。オランダUtrecht UniversityのKokらは、ICU患者でのベンゾジアゼピン使用とせん妄・心的外傷後ストレス障害・うつ・不安・認知機能障害との関連を評価するシステマティックレビューを実施した。

結論

49件の研究が含まれた。24件の研究ではベンゾジアゼピンの使用がせん妄リスク因子とされ、7件ではせん妄ないし関連アウトカムのリスク因子ではなかったが、方法論的に高品質な研究ではベンゾジアゼピンはせん妄リスクであった。5件の研究がベンゾジアゼピンとICU退室後のPTSD・うつ・不安・認知機能障害との関連を見出したが、5件では関連は混合的で、4件では関連はみられなかった。

評価

方法論的な異質性のためメタ解析は行えなかったが、大方の印象を確認した。ベンゾジアゼピンの使用は可能な限り回避することが望ましい。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)