高感度トロポニン検査は高感度すぎる?:High-STEACS試験
High-sensitivity troponin in the evaluation of patients with suspected acute coronary syndrome: a stepped-wedge, cluster-randomised controlled trial
背景
高感度トロポニン検査は従来検査よりも迅速かつ高感度で急性冠症候群(ACS)を診断でき、利用が広がっている。イギリスUniversity of EdinburghのShahらは、救急部門を受診したACS疑いの連続患者を対象とした段階的導入クラスターランダム化比較試験により、高感度心筋トロポニンI検査(hs-cTnI)または従来cTnI検査の結果に基づく管理が1年以内の心筋梗塞・心血管死亡を減少させるか検証した(n=48,282)。
結論
21%の患者が、従来または高感度cTnI検査で99パーセンタイル値を上回った。このうち17%(1771名)は従来検査では心筋障害・梗塞が同定されず、高感度検査により再分類された患者であった。この再分類に基づかない管理を受けた患者群での1年心筋梗塞/心血管死亡率は15%、再分類に基づく治療を受けた患者では12%であり有意な差はなかった(調整オッズ比1.10)。
評価
Hs-Tn検査によりACS診断患者は増加したが、長期的なアウトカムの改善には結びつかなかった。低リスクな患者を過剰に検出している可能性がある。一方で、病院滞在時間はHs-Tn検査の導入により短縮しており、より確信を持って除外診断を行えるメリットは存在するものと思われる。


