ICUせん妄の予防にラメルテオンが有望:日本からのRCT
Effect of Administration of Ramelteon, a Melatonin Receptor Agonist, on the Duration of Stay in the ICU: A Single-Center Randomized Placebo-Controlled Trial
背景
メラトニンはサーカディアンリズムの調節に重要な役割を果たし、ICU患者でのせん妄に有効である可能性がある。日本Nagoya UniversityのNishikimiらは、経口・経鼻的に投薬可能なICU患者に、毎日午後8時の選択的メラトニン受容体作動薬ラメルテオンまたはプラセボ投与を割り付ける単施設・三重盲検・ランダム化試験を実施した(n=88)。
結論
ICU滞在期間はラメルテオン群4.56日・プラセボ群5.86日と、ラメルテオン群で短縮した。せん妄の発生率はラメルテオン群24.4%・プラセボ群46.5%、せん妄期間はそれぞれ0.78日・1.40日と、いずれもラメルテオン群で優った。ラメルテオン群の非挿管患者では夜間覚醒が少なかった。
評価
ICU滞在はサーカディカンリズムの混乱をもたらすが、ラメルテオンまたはメラトニンの投与により正常なサーカディアンリズムが回復することが期待されている。これまで複数のRCTが実施されており有望とみられる(http://doi.org/10.1001/jamapsychiatry.2013.3320、http://doi.org/10.1002/gps.2582)。


