CTが必要と思われる頭部外傷小児でのルールアウトに頭部CTルールを使う:NEXUS II
Validation of the Pediatric NEXUS II Head Computed Tomography Decision Instrument for Selective Imaging of Pediatric Patients with Blunt Head Trauma

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
July 2018
25
開始ページ
729

背景

頭部外傷小児でのCTの適応についてはPECARNをはじめとした各ルールがあり高い感度を実証しているが、CTオーダーの削減に資するかは疑問視されている。Ronald Reagan UCLA Medical CenterのGuptaらは、NEXUS Head CT DIを導出・検証した研究での事前指定二次解析により、18歳未満の鈍的頭部外傷患者においてNEXUSルールが神経外科的介入を要する患者を特定可能か検討した(n=1,018)。

結論

神経外科的介入を要した患者27名全員がルールにより高リスクに分類された(感度100%)。低リスクに分類されたのは330名であり、このうちに神経外科的介入を要した患者はなかった(特異度33.3%・陰性適中率100%)。臨床的意義のある頭蓋内損傷については、それぞれ感度98.0%・特異度34.0%・陰性適中率99.7%であった。

評価

NEXUSルールは既存の頭部CTルールと異なり、医師が「低リスクではない」と判断した症例のうちでCT回避可能な小児をルールアウトするために設計されている。この研究では臨床判断後の追加的なルールアウトにより、不要なCTを1/3ほど削減し得ることが示唆された。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)