救急患者はどの程度意思決定の共有を求めているか
A Qualitative Analysis of Patients’ Perceptions of Shared Decision Making in the Emergency Department: “Let Me Know I Have a Choice”
背景
臨床における医師と患者の意思決定の共有(Shared Decision Making)の重要性は広く認識されつつあるが、救急の患者はSDMについてどのような意向を持っているのか。University of MassachusettsのSchoenfeldらは、2施設の救急患者またはその代理人(n=29)での半構造化インタビューを行い、救急利用者から見たSDMとその促進・阻害要因を検討した。
結論
全ての参加者は意思決定過程にある程度関わることを望み、自己効力感が強い、あるいは医療システムへの不信を持った参加者はより強い関与を望んだ。SDM促進要因として決定に対する深い知識、医師のコミュニケーションスキル、明確に示されたオプションが挙げられた。参加者の一部は、自分の知識不足により意思決定への関与が不適切なものとなることを懸念していた。また多くの参加者はSDMに対して期待を持っておらず、明示的に促された場合をのぞき医師の決定に委ねる、とした。
評価
多くの救急患者は意思決定に関わることを望んでいたものの、それほど積極的ではなかった。複数の合理的オプションが存在する場面では、医療者サイドから積極的にSDMを促していく必要がある。


