脳卒中患者における搬送中の神経学的悪化とアウトカム
Frequency, Predictors, and Outcomes of Prehospital and Early Postarrival Neurological Deterioration in Acute Stroke: Exploratory Analysis of the FAST-MAG Randomized Clinical Trial
背景
脳卒中患者の神経学的悪化に関する既存研究は、もっぱら亜急性期に焦点をあててきた。University of California, Los AngelesのShkirkovaらは、発症2時間以内の急性脳卒中患者での硫酸マグネシウム静注を検討したFAST-MAG試験において探索的解析を行い、病院到着前の神経学的悪化(GCSの2点以上の悪化)とその後のアウトカム、予測因子などを検討した(n=1,690)。
結論
最終診断は73.2%が急性脳虚血、22.8%が頭蓋内出血であった。超早期の神経学的悪化は11.8%で発生し、頭蓋内出血患者で好発した(6.1% vs. 30.8%)。超早期の神経学的悪化は、障害(修正Rankinスケール、4.6 vs. 2.4)・死亡率(43.5% vs. 11.8%)の悪化、低い機能的自立(16.0% vs. 56.6%)と関連した。
評価
脳卒中患者の8人に1人で超早期の神経学的悪化が見られ、特に頭蓋内出血患者で多かった(http://doi.org/10.1136/emermed-2017-207265)。脳卒中アウトカム改善に向けた取り組みにおいて、病院前セッティングの重要性はさらに増していくものと思われる。


