敗血症でのスタチン効果は一部薬剤に限定的か
A Population-Based Cohort Study on the Drug-Specific Effect of Statins on Sepsis Outcome
背景
スタチンは感染症などでも有効性が示唆されているが、敗血症での有効性には議論がある。台湾National Taiwan University HospitalのLeeらは、同国のNational Health Insurance Research Databaseを用い、敗血症患者(n=52,737)での各スタチン製剤ごとの短期有効性を検討した。
結論
1,855名がアトルバスタチン、916名がシンバスタチン、732名がロスバスタチンを処方された。非スタチン使用患者と比して、アトルバスタチン(ハザード比0.78)・シンバスタチン(0.72)は30日生存率を改善したが、ロスバスタチンでは改善しなかった(0.87)。ロスバスタチンを基準としても、アトルバスタチン(0.79)・シンバスタチン(0.77)は生存率を改善した。
評価
既存RCTのメタ解析は否定的結果を示しているが(http://doi.org/10.1371/journal.pone.0082775)、この研究ではその有効性がクラス特異的ではなく、一部の薬剤に限定されることが示唆された。


