どのような臨床所見で急性大動脈解離を疑うか:系統的レビュー・メタ解析
Clinical Examination for Acute Aortic Dissection: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
急性大動脈解離(AAD)の診断は容易ではなく、診断の遅れ・見逃しは致死的な結果につながる。カナダUniversity of OttawaのOhleらは、システマティックレビューとメタアナリシスにより、AADの診断に有効な臨床所見・画像検査・リスクスコアを特定した。
結論
9件の研究が含まれ(n=2,400)、AADの有病率は21.9%から76.1%であった。AADの可能性が高まる臨床所見として神経障害(特異度95%・陽性尤度比4.4)・低血圧(95%・2.9)があり、縦隔の拡大がみられない(感度76%〜95%・陰性尤度比0.14〜0.60)、AHAのADDリスクスコアが1未満(91%・0.22)の場合、AADの可能性は低下した。
評価
いくつかの高リスク・低リスク特徴が存在したが、確定や除外を可能とするような因子はなく、患者ゲシュタルトの慎重な看取が変わらず重要である。


