救急での静注リドカイン鎮痛のエビデンスは?:システマティックレビュー
Safety and Efficacy of Intravenous Lidocaine for Pain Management in the Emergency Department: A Systematic Review

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
February 2018
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開始ページ
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背景

リドカインは術後鎮痛や神経痛の管理に用いられる局所麻酔薬であるが、救急部門での使用に関するエビデンスはこれまでほとんどない。Mayo Clinic, RochesterのSilvaらは、システマティックレビューにより、救急での急性/慢性疼痛管理でのリドカイン静注の安全性・有効性を評価した。

結論

8件の研究が基準を満たした。エビデンスの質は低く、メタ解析は実施できなかった。6件のRCTのうち、2件は対照薬との同等性を、もう2件は対照薬への優位性を示した。特に腎疝痛および重症下肢虚血でのリドカイン静注は、モルヒネを上回った。片頭痛には効果がなかった。有害事象について報告した研究では、重篤でない有害事象8.9%、重篤有害事象は0.4%であった。

評価

近年腎疝痛での効果を検討する研究が現れており、有望なオプションである可能性もあるが、現時点までエビデンスは蓄積されていない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)