X線陰性の市中肺炎はX線陽性の肺炎と同等か
Community-Acquired Pneumonia Visualized on CT Scans but Not Chest Radiographs: Pathogens, Severity, and Clinical Outcomes
背景
市中肺炎の評価は伝統的に胸部X線によって行われてきたが、CTの普及にともない、X線では正常でCTによってのみ同定可能な肺炎の存在が明らかにされてきた。Vanderbilt UniversityのUpchurchらは、入院にいたった成人市中肺炎患者を対象とした多施設・前向サーベイランスにおいて、X線陰性/CT陽性肺炎とX線陽性肺炎の臨床的特徴・病因・アウトカムを比較検討した(n=2,251)。
結論
97%はX線で視覚化され、CTのみで視覚化された肺炎患者は3%であった。CTのみ肺炎は、併存疾患・バイタル・入院期間・ウイルス性(30% vs. 26%)・細菌性(12% vs. 14%)・ICU入室(23% vs. 21%)・人工呼吸器使用(6% vs. 5%)・敗血症性ショック(5% vs. 4%)・院内死亡(0 vs. 2%)のいずれについてもX線陽性肺炎と同等であった。
評価
EPIC研究のサブスタディである(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1500245)。入院を要する肺炎でも稀ながらX線で同定不能なものがあったが、その臨床的特徴・アウトカムはX線陽性の肺炎と同等で、特別の管理は不要と考えられる。


