造影剤関連AKIリスク予測の簡明スコアを開発
A contemporary simple risk score for prediction of contrast-associated acute kidney injury after percutaneous coronary intervention: derivation and validation from an observational registry
背景
PCIにおける造影剤関連急性腎障害(CA-AKI)リスクに関して多くの研究が行われてきた。 Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMehranらは、32,378件の大規模PCIコホートデータに基づき、CA-AKI(一次エンドポイント)リスクを推定する簡明リスクスコアを開発した。
結論
14,616例を導出コホート、5,606例を検証コホートとした(CA-AKIは4.3%に発生)。一次エンドポイントの独立予測因子は、臨床症状・eGFR・左室駆出率・糖尿病・ヘモグロビン値・基礎血糖値・うっ血性心不全・年齢であった。この結果を中心に2モデルを構築し、導出コホートのC統計量はモデル1が0.72、モデル2が0.74であり、検証コホートでは同0.84・0.86であった。CA-AKIでは1年死亡リスクが有意に上昇し(aHR: 1.76)、これは主に30日死亡の超過に起因するものであった。
評価
CA-AKIリスクの最も簡明なスコアを提示したもので、大規模な外部検証が進められることになる。どのレベルのリスクなら容認できるのか、どうすれば予防できるか、という重要問題が再度浮上している。


