アメリカ心血管リスク因子の人種格差
Trends in Cardiovascular Risk Factors in US Adults by Race and Ethnicity and Socioeconomic Status, 1999-2018
背景
米国では心血管原因死亡は1950年代以降大幅に減少しているが、人種-民族・社会経済ステータスによる差は。Tulane UniversityのHeらは、 1999〜2018年の米国国民健康栄養調査20歳以上50,571名のデータを用いて連続横断研究を行った。心血管危険因子の年齢性別調整済み平均値/比率、およびアテローム性動脈硬化性心血管疾患発症の推定10年リスクを、10の2年サイクルごとに評価した。
結論
1999年から2018年にかけて、BMIとHbA1cが有意に増加し、血清総コレステロールと喫煙が有意に減少した。アテローム性動脈硬化性心血管疾患の年齢・性別調整済み推定10年リスクは、非ヒスパニック系黒人参加者が非ヒスパニック系白人参加者と比較して常に高かったが、この差は、教育・所得・自宅所有・雇用・健康保険・医療アクセスの調整後に減弱した。
評価
米の人種間健康格差は繰り返し指摘されているが、BMI・SBP・HbA1cに関する20年データは初出であるという。人種格差と社会経済ステータス格差が重合している、という指摘もしばしばなされている。


