新規抗FXI薬abelacimab、術後VTE予防でエノキサパリンを凌ぐ
Abelacimab for Prevention of Venous Thromboembolism
背景
Abelacimabは新規凝固第XI因子(FXI)阻害薬で、同因子ノックダウン様の作用機序をもつ。カナダThrombosis and Atherosclerosis Research Institute(TaARI)のWeitzら(ANT-005 TKA)は、人工膝関節全置換術を受けた患者412名を対象に、同薬の術後静脈血栓塞栓症(VTE)予防効果を検証する比盲化RCTを行った(対照:エノキサパリン)。一次アウトカムはVTE、一次安全性アウトカムは術後30日までの大出血または臨床的に重要な非大出血の複合である。
結論
Abelacimab(75mg・150mg)のエノキサパリンへの一次アウトカム効果優性を認めた(30mgでも非劣性)。 一次安全性アウトカムは、abelacimab150mg群とエノキサパリン群では発生しなかった。
評価
FXI因子が術後血栓形成に重要であることも示す興味深い新薬の登場である。当然AF等他分野でもエノキサパリンと比較されることになるが、静注薬であることは制約である。