セフェピムによる死亡率上昇は否定できず:ベイジアン・メタ解析
Cefepime and Mortality: A Systematic Review and Bayesian Meta-Analysis
背景
セフェピムは1990年代に登場した第4世代セファロスポリン系の抗菌薬で、緑膿菌からグラム陽性菌まで広範囲をカバーすることができ、発熱性好中球減少症やAmpC産生菌感染症における推奨治療となっている。一方で、2007年のメタアナリシス(https://doi.org/10.1016/S1473-3099(07)70109-3)以降、他のβ-ラクタム系抗菌薬に比して死亡リスクが高いのではないかという懸念が継続して存在した。
カナダHôpital Maisonneuve-RosemontのSohaniらは、2026年5月までに、小児・成人を対象としてセフェピム(単剤または併用)と他のβ-ラクタム系抗菌薬(単剤または併用)を比較したすべてのランダム化臨床試験を特定し、全原因死亡率についてランダム効果の階層ベイズモデル比較を行う系統レビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
110件の試験、22,608名の患者が統合して解析された。
死亡率はセフェピムで6.6%、他のβ-ラクタム系抗菌薬で6.2%であり(オッズ比[OR] 1.10)、統合オッズ比が1を超える事後確率は94.4%であった。査読済みのRCT(73件, 15,411名)の解析では、セフェピム群の死亡オッズ比が1を超える確率は98.6%と推定された。
評価
2009年にはアメリカ食品医薬品局(FDA)による再解析が行われ、死亡率の有意な上昇はみられないと結論されたセフェピムであるが、本メタ解析では死亡率上昇の可能性がなお高いことが明らかにされた。
セフェピムについては死亡リスクのほかに神経毒性も認識されており、明確な適応や適切な投与量を外れた曝露を避ける方向が合理的かもしれない。


