手術不能早期肺がんへのSBRTにアテゾリズマブを追加してもベネフィットなし:SWOG/NRG S1914試験
Induction and consolidation atezolizumab with stereotactic body radiation therapy versus radiation alone in high-risk, early-stage non-small-cell lung cancer (SWOG/NRG S1914): a multicentre, open-label, superiority, phase 3, randomised controlled trial
背景
手術不適合または手術を希望しない(inoperable)早期非小細胞肺がん(NSCLC)患者では体幹部定位放射線治療(SBRT/SABR)が標準治療として確立しているが、免疫チェックポイント阻害薬を追加する意味はあるか? ニボルマブの追加を検証した第2相I-SABRは有望な結果を示したが、ペムブロリズマブを追加した第3相KEYNOTE-867試験はベネフィットを示せず中止となった。
アメリカUniversity of California Irvine Chao Family Comprehensive Cancer CenterのDalyら(SWOG/NRG S1914)は、同国146施設において、T1-T3N0M0期で腫瘍径7 cm以下、かつ医学的に手術不適または手術を拒否するNSCLC患者に、3〜8回のSBRTに加えて最大8サイクルのアテゾリズマブ併用療法、またはSBRTのみによる治療を割り付け、全生存率を比較する第3相RCTを実施した。試験は群逐次デザインで行われ、目標登録数は480名、4回の中間解析が予定されていた。
結論
最初の中間解析の時点で、無増悪生存イベントが76件、死亡イベントが41件発生しており、登録は終了した(n=417)。
追跡期間の中央値24.8ヵ月時点での全生存ハザード比は1.04であり、推定2年生存率はアテゾリズマブ追加群、SBRT群とも82%であった。
グレード3以上の有害事象は、アテゾリズマブ追加群の12%、SBRT群の3%で発生した。アテゾリズマブ追加群ではグレード5(死亡)の呼吸器有害事象が2件発生した。
評価
アテゾリズマブの術前/同時/地固め使用は生存アウトカムを改善せず、有害事象は増加した。
早期肺がんでのSBRT+ICIに関してはKEYNOTE-867試験に続く第3相失敗であり、非選択の患者で有効性が期待できる、という仮説はかなり後退した。デュルバルマブを追加する第3相PACIFIC-4/RTOG-3515試験が日本も参加して行われており、その結果は重要である(NCT03833154)。


