PICU小児患者での低い血圧目標はアウトカム改善せず:PRESSURE試験
Permissive Blood Pressure Targets in Pediatric Critical Care: The PRESSURE Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
September 2026
巻
Online first
開始ページ
Online first

背景

重症患者における低血圧の治療は重要だが、過度な血圧正常化は体液過剰や昇圧薬への曝露による有害な影響を引き起こす可能性がある。平均動脈圧(MAP)目標値を低く設定するpermissive hypotensionは、成人の敗血症・血管拡張性ショックにおいて支持されているが、小児患者でのエビデンスは不足している。
イギリスCambridge University Healthcare NHS Foundation TrustのInwaldら(PRESSURE)は、イギリス・アイルランド・スイスの23の小児集中治療室において、侵襲的人工呼吸管理と昇圧薬投与を受ける重症小児患者を対象に、年齢別5パーセンタイル超の低いMAP目標値、または主治医によるMAP目標値(通常ケア)を割り付け、死亡と人工呼吸器装着期間の複合アウトカムを比較する実用的RCTを実施した(n=1,900)。

結論

患者の年齢は中央値4歳(四分位範囲0〜10歳)であった。昇圧薬投与中のMAP中央値は、低目標値群で58 mmHg、通常ケア群で61 mmHgであった。昇圧薬の総投与量(ノルアドレナリン換算量)は低目標値群で37.5%減少した。
一次アウトカムに有意な群間差は認められなかった(probabilistic index, 0.52)。
7つの二次アウトカムのうち6つは両群で同等であったが、生存患者におけるPICU滞在時間は低目標値群で有意に短縮した(159時間 vs. 166時間; probabilistic index, 0.53)。腎代替療法の実施、有害事象の発生率に群間差は認められなかった。

評価

低い(permissiveな)MAP目標値は一次アウトカムを改善しなかったものの、昇圧薬の使用は大きく軽減された。
非劣性デザインではないものの、2,000人近い大規模な試験で、臨床アウトカム・有害事象に差がなかったことから、臓器灌流が保たれているならより早く昇圧薬を減量・中止する、という戦略は採用が増加するかもしれない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス)

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)