急性期脳梗塞への神経保護薬Loberamisal投与で機能的回復が改善:LAIS試験
Loberamisal for Acute Ischemic Stroke: The LAIS Randomized Clinical Trial
背景
急性期脳梗塞の神経保護(neuroprotection)は90年代から多くの候補薬が検討されてきたが、エダラボンのような例外を除いてほとんどは有効性を証明できなかった。近年、中国を中心に神経保護薬の有効性を示す臨床試験が複数現れており、神経保護薬のコンセプトに再び関心が集まっている。
中国Capital Medical UniversityのLiら(LAIS)は、シナプス後肥厚部タンパク質(PSD-95)とα2 γ-アミノ酪酸α(α2-GABAA)受容体を標的とする低分子化合物、loberamisalの有効性・安全性を評価するため、同国32施設の急性虚血性脳卒中患者を対象に、loberamisalまたはプラセボの静注を割り付け、90日時点での機能的回復(修正ランキンスケールが0〜1)を比較する第3相RCTを実施した(n=998)。
結論
90日機能的回復率はloberamisal群で69.7%、プラセボ群で56.3%であった(相対リスク[RR] 1.24)。
有害事象はloberamisal群の87.8%、プラセボ群の88.7%で発生し、重篤有害事象は各群8.6%、10.7%で発生した。全原因死亡率は各群1.2%、2.0%であった。
評価
神経保護に加え、抗炎症・神経修復作用も想定されたマルチターゲット薬で、本試験では、発症48時間以内で血栓回収療法の適応にならない脳梗塞患者において機能的回復率の大きな改善を示した。
Edaravone-dexborneolのTASTE-SL試験、ミノサイクリンのEMPHASIS試験と、神経保護戦略の復権を思わせるポジティブ結果が続いているが、現時点では中国国内での試験に留まっており、国際的な外的妥当性の確認は欠かせない。


