MATRix導入療法が奏効した中枢神経系原発悪性リンパ腫患者では移植は省略できない:MATRix/IELSG43試験
High-dose chemotherapy followed by autologous stem-cell transplantation versus non-myeloablative consolidation in primary CNS lymphoma (MATRix/IELSG43): a randomised phase 3 trial
背景
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)に対する治療としては高用量メトトレキセート (HD−MTX)を中心とした寛解導入療法が確立していたが、その後の地固め療法では全脳照射放射線治療、自家幹細胞移植を伴う大量化学療法(HCT-ASCT)、移植を伴わない化学療法などの選択肢がある。
ドイツKlinikum StuttgartのIllerhausら(MATRix/IELSG43)は、ヨーロッパ5ヵ国56施設の治療歴がないB細胞性PCNSL患者を登録し、MATRix導入療法(リツキシマブ・高用量シタラビン・チオテパ・HD−MTX)で部分奏効以上となった患者に、R-DeVIC(リツキシマブ・デキサメタゾン・エトポシド・イホスファミド・カルボプラチン)、またはカルムスチン・チオテパを使用するHCT-ASCTを割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCTを実施した。
結論
346名が導入療法を開始し、230名がランダム化を受けた。
3年無増悪生存率はHCT-ASCT群で78%、R-DeVIC群で51%であり、HCT-ASCT群で有意に向上した(ハザード比[HR] 0.43)。
患者あたりの有害事象数はHCT-ASCT群で平均14.6、R-DeVIC群で9.3であった。地固め療法後の致死的な重篤有害事象はHCT-ASCT群で5件、R-DeVIC群で2件発生した。
評価
IELSG32試験(https://doi.org/10.1016/S2352-3026(17)30174-6)・PRECIS試験(https://doi.org/10.1200/JCO.18.00306)によって、HCT-ASCTは全脳照射と並ぶ選択肢と見做されるようになったが、より負担の軽い非骨髄破壊的化学免疫療法に置き換えられるか、という問いは残されていた。
本試験は、HCT-ASCT群のPFSがR-DeVIC群よりも大幅に良好であることを確認し、MATRix導入療法が完了した後の地固め療法として引き続きHCT-ASCTを支持するエビデンスとなる。


