Pan-RAS阻害薬Daraxonrasibが肺がんでも高い抗腫瘍活性示す
Daraxonrasib for Previously Treated RAS-Mutant Non-Small-Cell Lung Cancer

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2026
395
開始ページ
882

背景

Daraxonrasibは、GTP結合型の活性化RASとシクロフィリンA、薬剤が三者複合体を作ることで下流へのシグナルを阻害する新機軸のRAS(ON)広域阻害薬であり、RAS変異膵管腺がん患者を対象とした第3相RASolute 302試験において、化学療法と比較して全生存期間を延長することを実証した(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2605555)。
アメリカMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのArbourらは、RAS変異非小細胞肺がん(NSCLC)に対するdaraxonrasibの安全性・有効性を評価するため、G12C以外のRAS変異を有する治療歴のある進行NSCLC患者を対象に21日サイクルで1日1回10-400 mgのdaraxonrasibを投与する第1/2相用量漸増・用量拡大試験(RMC-6236-001)を実施した。

結論

2025年7月までに137名が登録された。99%がプラチナ化学療法を、99%が抗PD-1/抗PD-L1療法を受けていた。RAS G12V変異が37%、RAS G12D変異が30%含まれた。
300 mg以下の用量で99%に有害事象が報告され、うち30%以上の患者で報告されたのは発疹、下痢、悪心、嘔吐、粘膜炎、口内炎であった。グレード3以上の有害事象は54%の患者に報告され、グレード5(死亡)は4件発生した。
客観的奏効率は120 mg以上の投与を受けた患者で31%、160〜220 mgの投与を受けた患者では34%であった。

評価

KRAS変異はNSCLCの約30%を占め、ソトラシブ・adagrasibなどが最大のサブタイプであるG12C変異への有効性を示している。Daraxonrasibは広範囲のRAS活性化そのものを標的化する新薬で、本試験では複数用量で抗腫瘍活性を確認し、FDAの画期的治療薬の指定を受けた。
日本の施設も参加する第3相RASolve 301試験は、2027年の終了を見込んで現在進行中である(NCT06881784)。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)