不祥のクローン性造血(CHIP)は、虚血性心疾患不在化でも心不全を加速する
Clonal Hematopoiesis and Risk of Progression of Heart Failure With Reduced Left Ventricular Ejection Fraction
背景
加齢で「ポテンシャル不祥のクローン性造血(CHIP)」が増加することが知られ、虚血性心疾患やHFrEFリスクとの関連も示唆されている。スペイン Murcia UniversityのPascual-Figalらは、LVEF<45%のHFrEF患者 62名を対象にdeep sequencingを行い、CHIPの心不全アウトカムへの影響を解析した。
結論
虚血性/非虚血性に関わらず、心不全でDNMT3AもしくはTET2変異を有するCHIP患者では、心不全関連死もしくは心不全入院リスクが激増していた(HR: 4.41, p<0.001)。
評価
CHIPが虚血性心疾患の非存在下でHFの進行を加速する、という初めてのエビデンスである。基礎研究ではサイトカイン活性化の関与が示されている病態で、その多面的インパクトに関する理解を深めるとともに、心不全の新しいサブタイプとして新規治療ターゲットとなる可能性がある。


