救急外来に理学療法士主導ケアを導入し患者の滞在時間を短縮:RESHAP-ED試験
Physiotherapist-led care for musculoskeletal conditions in the emergency department (RESHAP-ED): a randomised controlled trial with economic evaluation
背景
筋骨格系疾患は救急外来受診の小さくない一部を占めており、緊急度の高くない筋骨格系疾患患者では長時間にわたって診療を受けられないケースも多い。筋骨格系疾患の多くは理学療法士によって管理可能と考えられるが、診療ワークフローに理学療法士が関与することでよりスピーディな診察が可能となるのではないか。
オーストラリアUniversity of SydneyのSigeraらは、ニューサウスウェールズ州の5ヵ所の救急外来で単純性の筋骨格系疾患を有する成人患者を対象に、理学療法士主導ケア(介入群)、または通常の医師・看護師主導ケア(対照群)を割り付け、救急滞在時間・その他のアウトカムを比較する実用的ランダム化比較試験、RESHAP-ED試験を実施した。
結論
4,219名の患者がスクリーニングされ、1,491名がランダム化された。
救急外来の平均滞在時間は、介入群で2.4時間、対照群で3.4時間と、介入により有意に短縮した。
有害事象は介入群の6.6%、対照群の5.9%で報告された。患者1人あたりの平均コストは介入群で35.1オーストラリアドル低く、介入群の方が費用対効果が高い確率は98.1%であった。
評価
救急における理学療法士主導のケアは、患者の安全性やQOLを悪化させることなく、滞在時間を短縮し患者満足度を向上させた。
本試験の介入群を担当したのは高度実践の訓練を受けた理学療法士であり、日本のシステムでそのまま再現することは難しいと思われるが、診療プロセスの一部を理学療法士が安全に代替・並列化できることを示した点で重要だろう。


