心臓MRIは、「AI利用・造影なし」へ?
Myocardial Scar Assessment Using Artificial Intelligence-Powered Contrast-Free MRI: A Prospective Multicenter Study of Virtual Native Enhancement
背景
心筋瘢痕評価の標準であるLGEは、ガドリニウム造影剤を要する。
イギリスUniversity of OxfordのZhangらは、イギリスLeedsと中国Fuwaiにおいて心筋症(虚血性・肥大型)患者136名を対象に、造影前画像からAIで生成するvirtual native enhancement(VNE)の心筋梗塞診断性能を、前向・盲検・多施設研究で評価した。
結論
VNEによる心筋梗塞診断精度は、判定確信度の高い107名で94.4%、全136名で87.5%であった。瘢痕量はLGEと強く相関し(R=0.90)、臨床医は69.7%でLGE不要と判断した。この集団の診断精度はVNE 93.7%、LGE 93.9%であった。
評価
この技法を提唱・開発してきたOxfordチームの最新の報告で、臨床汎用への接近を示した。検査の時間・コスト低減と適用拡大の可能性も評価される。一方、画質不良や小さな心内膜下瘢痕では診断確信度が低下し得るため、現段階ではLGEを全面的に代替するより、補完するという位置づけが妥当であろう。他方、JACC Editorialは、ガドリニウムへの依存をなくすことによるコスト・ワークフロー上の利点を強調し、「新しい時代」の到来の可能性を論じている。


