カジノシフトは夜勤の悪影響を軽減できるか?
Casino schedules reduce inflammatory biomarkers and improve sleep in emergency medicine physicians during shift work
背景
夜勤シフトは概日リズムのずれ、睡眠不足・睡眠の質低下などを通じて健康に悪影響を与えると考えられている。夜勤の悪影響を低減するために提案されているのが、毎日同じ時間帯に最低限の睡眠を確保することで概日リズムを安定させるアンカー睡眠(anchor sleep)の概念であり、すべてのシフトのスタッフにアンカー時間を確保するものとして夜中にシフト交代を行うカジノシフト(casino shift)も検討の対象になっている。
アメリカUniversity of Missouri School of MedicineのKendrickらは、12名の救急医を対象に、夜勤なし、午前6時にシフト交代を行う従来シフトの夜勤、午前4時に行うカジノシフトの夜勤における炎症性バイオマーカーおよび睡眠の時間・質を評価するパイロット研究を行った。
結論
従来シフトの夜勤は炎症性マーカーの上昇と睡眠の質の低下に関連した一方で、カジノシフトの夜勤では改善が認めらられた。白血球数と血小板数は従来シフトの夜勤中に増加し、カジノシフトの夜勤ではベースライン値に回復した。ヘモグロビンとヘマトクリットに変化はなかった。
カジノシフトの夜勤では深い睡眠が維持され、カジノシフト中の参加者は眠気が少ないと報告した。
評価
夜間を二つのシフトに分担することで両方のシフトにアンカー時間を確保するこのアイデアは、2000年頃、カジノ業界の慣行をヒントにCroskerryらが提案したもので、散発的に研究が行われている。
本研究では、カジノシフトにより炎症性バイオマーカーや睡眠の質などに改善傾向が認められており、より大きな規模・期間での検証を正当化する。


