心臓手術における血小板低温保存の室温保存への非劣性を確定:CHIPS試験
Cold and Room-Temperature Platelets in Cardiac Surgery: The CHIPS Randomized Clinical Trial
背景
心肺バイパス(CPB)を使う心臓手術では血小板輸血を要するが、室温保存血小板(RTP)は保存期間が5〜7日と短い。
アメリカUniversity of PittsburghのSpinellaら(CHIPS)は、血小板輸血を受ける1,000名を対象とする第3相RCTで、最長21日保存した低温保存血小板(CSP)の止血効果をRTPと比較検証した。一次アウトカムは、5段階の止血効果スコアである。
結論
一次アウトカムは全保存期間でCSPのRTPに対する一次アウトカム非劣性を認めた:全保存期間で確率が99.9%超、平均差は0.09。24時間胸腔ドレーン排液量も8.9 vs. 8.4mL/kgで差はなく、CSPの止血効果の優越性は示されなかった。
評価
多数のパイロット研究を受けて企画された決定的大規模検証により、CSPのRTPへの非劣性を確定した。先行レビューではCSPの止血能向上が示唆されていたが、本試験では優越性は確認されなかった。実臨床に直にインパクトを与える重要知見である。ただし、CSP群では再開胸と追加輸血が多く、輸血適応の非標準化や介入逸脱もあるため、「21日保存可能」と「RTPより優れる」は明確に区別すべきである。


