肺外転移がなく薬物治療耐性のIV期肺がんの肺移植成績は非常に良好
Lung Transplant for Refractory Lung-Limited Stage IV Non-Small Cell Lung Cancer
背景
両肺実質内に限局する進行肺がんでは、腫瘍進行に伴う呼吸不全が生命予後を規定する。通常、再発・死亡リスクの高い悪性腫瘍は肺移植の禁忌とされるが、この集団では両肺移植によって死亡を防げるのではないか。
アメリカNorthwestern UniversityのBharatらは、薬物療法抵抗性で肺限局性のIV期非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした同施設の前向両側肺移植レジストリ(DREAM)において、両側肺移植を受けた患者(n=17)、移植適格であるが非生物学的理由により薬物療法のみを受けた患者(n=81)、同期間に末期肺疾患で肺移植を受けた連続患者(n=306)の生存率を比較した。
結論
追跡期間(中央値)は、NSCLC肺移植患者では343日、NSCLC薬物療法患者では221日、非がん肺移植患者では200日であった。
推定1年生存率は、NSCLC肺移植患者で100.0%、NSCLC薬物療法患者で40.8%であった。また、移植後1年生存率はNSCLC肺移植患者で100.0%、非がん肺移植患者で88.1%であった。
拡大追跡調査の最終日である2026年1月31日までに、NSCLC肺移植患者の2名が死亡した。
評価
肺内だけに転移し、標準治療に抵抗性のIV期肺がんでの両側肺移植は、1年生存率100%という良好な短期成績を示した。
肺移植自体が年間約150例と限られる日本ではハードルが高いものの、従来禁忌とみられていた肺がん患者での肺移植で長期生存が成立しうることを示す重要な概念実証である。


