超低ニコチンタバコで代償喫煙は起こらない:17RCTのメタアナリシス
Compensatory Smoking With Very Low Nicotine Content Cigarettes: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
アメリカ食品医薬品局(FDA)はタバコ製品のニコチン規制を検討しているが、ニコチン含有量を約95%減らした超低ニコチン含有量タバコ(VLNC)により、喫煙者が代償的に本数や煙の吸引量を増やす懸念が存在する。
アメリカWake Forest UniversityのDenlinger-Apteらは、VLNCの長期使用による代償喫煙の有無を評価したRCTの系統レビューおよびメタアナリシスを実施した。
一次アウトカムは、介入終了時の1日あたりの喫煙本数と呼気中の二酸化炭素(CO)濃度であった。
結論
17件のRCT(5,500名)を網羅した系統レビューにおいて、通常ニコチンタバコ(NNC)群と比較してVLNC群で1日あたりの喫煙本数や一酸化炭素(CO)曝露量が増加した研究は存在しなかった。7件のRCT(2,454名)のメタアナリシスでは、介入6週間時点におけるVLNC群での喫煙本数増加の期待値は全体の0.8%に留まり、最大増加量も1日あたり3.3本であった。同様にCO曝露量の増加が予想されたのは8.1%で、最大増加量は4.2 ppmであった。
評価
このテーマに関する初めてのメタアナリシスで、低ニコチン標準化政策が広範な代償喫煙を引き起こすリスクは低いと保証した。個人の臨床背景や社会的決定要因に基づく機械学習サブグループ解析においても、特定層での代償リスクの上昇は認められず、健康格差を助長しない規制になり得ると示した。一方、本解析は過去のRCT参加者を対象としたものであり、アメリカの全喫煙者人口を厳密に代表しない点や、自己申告による喫煙本数の報告バイアスなどの限界も存在する。


