日本の小児院外心停止でのAEDパッド装着率は?
Automated External Defibrillator Pad Application Before EMS Arrival in Pediatric Out-of-Hospital Cardiac Arrest
背景
院外心停止(OHCA)では自動体外式除細動器(AED)の使用がアウトカムの改善と関連するが、小児OHCAで救急隊が到着するより前にAEDが使用されることは稀である。
日本University of Osaka(大阪大学)のYamaguchiらは、2021〜2023年のAll-Japan Utstein Registryのデータを用い、救急医療サービスの到着前に救命処置が実施された0〜17歳の小児OHCA患者におけるAEDパッドの装着率および神経学的アウトカムを調査した。
結論
計3,352名の小児患者が解析の対象となった。年齢の中央値は3歳、59.2%が男児であった。
5.5%が救急隊の到着前にAEDパッドを装着されていた。13〜17歳の患者と比較して、1歳未満(調整オッズ比 0.28)、1〜4歳(0.22)ではAEDパッドの装着率が低く、また自宅発生の心停止(0.06)、夜間の心停止(0.52)でも装着率は有意に低下した。
対照的に、学校での心停止では他の公共空間よりも装着率が高く(6.74)、バイスタンダー心肺蘇生が行われたケースでも装着率が高かった(28.69)。
救急隊到着前のAEDパッドの装着は神経学的良好アウトカムと関連しており(調整オッズ比 3.11)、初期リズムが心室細動の場合には関連性は非常に高くなった(27.49)。
評価
日本の小児OHCAの全国コホートにおいて、救急隊より前のAEDのパッド装着が行われていたのは5%であった。ただし、目撃あり例に限ると約14%と、成人中心のデータと大差はなかった。
学校でのOHCAでは60%超でパッド装着がなされたのに対し、それ以外の公共空間では15%ほどに留まっており、AEDの普及・教育には改善の余地があるかもしれない。


