CVDリスク因子のない患者のSTEMIは高リスク?:SWEDEHEARTレジストリ解析
Mortality in STEMI patients without standard modifiable risk factors: a sex-disaggregated analysis of SWEDEHEART registry data

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2021
397
開始ページ
1085

背景

心血管危険因子のないSTEMI患者の予後は。オーストラリア Kolling InstituteのFigtreeらは、スウェーデンのSWEDEHEART登録データより初発STEMI患者62,048名の予後を、標準修正可能CVDリスク因子(SMuRF:高血圧・糖尿病・高コレステロール血症・喫煙)の有無別に解析した。一次エンドポイントは、STEMI発症後30日の全死因死亡である

結論

30日全死因死亡率はSMuRFのない患者で高かった(HR:1.47)。SMuRFのない女性が最も高く(17.6%)、SMuRFのある女性(11.1%)、SMuRFのない男性(9.3%)、SMuRFのある男性(6.1%)が順に高かった。SMuRFのない患者の全死因死亡率は男性では8年以上、女性では12年間の追跡期間まで高かった。

評価

注目されることの少なかった集団のSTEMIの予後に関する初めての本格解析で、意外で重要な結果を示した。他人口集団での追試とともに、PRS等遺伝子要因や他のバイオマーカーの検討が必要となる。筆者らは、STEMI患者にはリスク因子の有無に関わらず梗塞直後よりエビデンスベースの薬物治療を開始すべきとしている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)