MSSA菌血症には抗ブドウ球菌ペニシリンよりセファゾリン:SNAP試験
Cefazolin for Methicillin-Susceptible Staphylococcus aureus Bacteremia

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2026
394
開始ページ
2329

背景

メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症に対する抗菌薬治療では抗ブドウ球菌ペニシリン(ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、フルクロキサシリンなど)が国際的な標準とみなされていたが、最近のメタアナリシスでは、セファゾリンの方が死亡率が低いことが示唆されている。
カナダMcGill UniversityのLeeらは、現在進行中の国際的なベイズ適応型プラットフォーム試験、SNAP試験において、ペニシリン耐性MSSA菌血症の成人患者を対象に、セファゾリンまたは抗ブドウ球菌ペニシリンを割り付け、階層化ベイズモデルを用いて登録後90日以内の死亡についてセファゾリンの非劣性を評価した。

結論

2022年2月から本ドメインの登録が開始され、2024年8月までに非劣性基準が満たされるまでに2,602名が登録され、1,757名でMSSAが検出され、1,341名がランダム化を受けた。
90日死亡率はセファゾリン群15.0%、抗ブドウ球菌ペニシリン群17.0%であった。セファゾリン群の調整オッズ比は0.81、非劣性確率は99.2%、優越性確率89.8%であった。
急性腎障害はセファゾリン群の13.9%、抗ブドウ球菌ペニシリン群の19.6%で発生した(調整オッズ比 0.67; 優越性確率 99.7%)。

評価

MSSA菌血症患者に対するセファゾリンは、90日死亡率についてフルクロキサシリン/クロキサシリンに劣らず、さらに90日死亡率・急性腎障害発症率について優越する可能性が高いと考えられた。
日本の複数のガイドラインでは、ペニシリン耐性MSSAに対してセファゾリンが標準に近い位置付けを得ており、本結果はこれにRCTエビデンスの裏付けを与えるものである。
同じSNAP試験からはペニシリン感受性黄色ブドウ球菌についての関連論文もLancet誌に発表されている(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(26)00761-0)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)