非コンセンサスTIAの脳梗塞リスクはクラッシックTIAと同等:OXVASC
Diagnosis of non-consensus transient ischaemic attacks with focal, negative, and non-progressive symptoms: population-based validation by investigation and prognosis
背景
眩暈のみ・失調のみ・構音障害のみ・複視のみ等の単一局所欠損症として発症する非コンセンサスTIA(NCTIA)の実態には不明点が多い。英University of OxfordのRothwel ら(OXVASC)は、同国オックスフォードシャーの住民ベースレジストリデータ(典型TIA[CTIA]:n=1,287、NCTIA:n=570)に基づき、両型の臨床像を比較した。
結論
中央値5.2年の追跡で、NCTIAの90日間脳卒中リスクはCTIAと同等であった(HR:0.87)。一方、NCTIA群はCTIA群より発症当日の医療機関受診が有意に少なかった(OR:0.47)。AF・PFO・血管狭窄等の基礎疾患有病率に群間差はなかったが、後方循環系狭窄はNCTIA群が多かった(OR:2.21)。10年間脳卒中リスクにも群間差はなかった。
評価
この問題に関する最高水準の解析のひとつであり、NCTIAの脳卒中(脳梗塞)発生リスクがCTIAと同等であることを確認した。実践的帰結は大きく、著者らは急性期治療の対象となるTIA患者は従来より50%増える、としている。この研究で90日間脳梗塞発生率が13%とされているvertigo only患者に対する対処は大きな問題である。


