NIRS-IVUS の未治療プラーク同定能は明らか
Identification of vulnerable plaques and patients by intracoronary near-infrared spectroscopy and ultrasound (PROSPECT II): a prospective natural history study
背景
近赤外分光法‐血管内超音波検査(NIRS-IVUS)は、CAGの限界を超える非閉塞性プラークの同定法として確立されてきている。スウェーデンSkane UniversityのErlingeらは、北欧地域の急性心筋梗塞患者898名に対して行われた同検査データに基づき、同検査の病変評価能を検討した。一次アウトカムは、フォローアップ期間中の未治療の非責任病変に起因したMACE(心不全・心筋梗塞・不安定狭心症・進行性狭心症)の最初の発生である。
結論
3,629の非責任病変を同定しえた。4年以内に有害事象が13.2%の患者で発生し、その8.0%は同定された非責任病変に起因していた。高度脂質性病変(患者の59%に存在)が患者レベルの非原因病変関連MACE(aOR:2.27)・非原因病変特異的MACE(7.83)の独立予測因子であった。大プラークも非原因病変関連MACEの独立予測因子であった。IVUSで大プラークを認め、NIRSで大脂質リッチコアを認めた病変の4年間非原因病変関連MACE率は7.0%であった。このような病変が1つ以上確認された患者では、4年間非原因病変関連MACE率は13.2%であった。
評価
CAGとNIRS-IVUSの比較はすでに数多く行われており(https://www.ingentaconnect.com/content/wk/cardi/2015/00000026/00000006/art00005)、個別 プラークレベルでのリスク定量化法として確立されたとみられる。この研究では心筋梗塞既往患者患者1人あたり未治療プラークが4つもあるとしており、NIRS-IVUSが予後予測的な精密検査となることを示している。

