退院後の敗血症患者の遠隔モニタリングは再入院を予防しない
Remote Monitoring Approaches to Reduce Readmissions After Infection and Sepsis: A Randomized Clinical Trial
背景
敗血症後の患者では認知・身体機能の低下、QOLの低下、再入院が一般的であり、移行期における患者支援は理論的には有望視されているが、エビデンスは堅固でない。
アメリカUniversity of PittsburghのYendeらは、敗血症または下気道感染症で入院し、自宅療養中の成人患者1,286名を対象とした多施設共同ランダム化比較試験(ACCOMPLISH試験)を行い、通常ケアと、質問票の頻度(高頻度/低頻度)とチームの臨床対応強度(標準強度/高強度)を組み合わせた4種類の遠隔モニタリングを比較した。
試験はレスポンス適応型ランダム化を用いて実施された。一次評価項目は退院後90日までの自宅療養日数とし、各治療群は累積オッズ比(COR)の事後確率分布で通常ケア群と比較された。
結論
患者の年齢は中央値63歳、Charlson Comorbidity Indexの中央値は6で、32.6%が集中治療を受けていた。遠隔モニタリング群に割り付けられた887名のうち、59.6%が遠隔モニタリングプログラムに登録された。
自宅療養日数(中央値)は、全ての治療群で90日であった。
通常ケアと比較したCORは、低質問頻度・標準強度群で0.96、高質問頻度・標準強度群で0.86、低質問頻度・高強度群で1.01、高質問頻度・高強度群で0.96であり、いずれの比較においても優越確率は55%を上回らなかった。再入院率はそれぞれ37.8%、39.7%、44.2%、37.3%、36.3%であった。
65歳以上の患者では、標準強度群・高強度群とも、通常ケア群と比較して自宅療養日数が少なかった(COR, 0.56, 0.67)。
評価
質問頻度や対応強度に関わらず、遠隔モニタリングは再入院リスクを変化させなかった。さらに65歳以上の高齢患者では、遠隔モニタリングにより再入院リスクが上昇する可能性も示唆された。
医療サービスに制限がある地域などを中心に利用が拡大している遠隔モニタリングであるが、一律の導入が患者の利益に資するか再検討が必要かもしれない。


