ECMOでのヘパリン抗凝固療法は低用量でよい:RATE試験
Standard-dose unfractionated heparin versus low-dose unfractionated heparin and low-molecular-weight heparin in extracorporeal life support (RATE): an open-label, randomised, non-inferiority trial
背景
体外式膜型人工肺(ECMO)では血栓合併症のリスクを低減するために抗凝固管理が必要であるが、出血リスクとの兼ね合いもあり、至適な抗凝固目標値については議論があった。
オランダUniversity Medical Center Groningenのvan Minnenら(RATE)は、同国7ヵ所の集中治療室において、V-V/V-A ECMOを受ける全量抗凝固療法の適応がない成人患者(n=330)を、標準用量のヘパリン静注(ベースラインaPTTの2.0〜2.5倍)、低用量のヘパリン静注(1.5〜2.0倍)、治療用量の低分子量ヘパリン(LMWH)皮下注へと割り付け、一次アウトカム(ECMO中の大出血・重篤な血栓合併症および6ヵ月死亡の複合)に関する非劣性を検証する非盲検RCTを実施した。
結論
複合一次アウトカム率は、標準用量ヘパリン群81%、低用量ヘパリン群72%、LMWH群75%であり、低用量ヘパリン・LMWHの非劣性が示された。
大出血は標準用量ヘパリン群と比較して、低用量ヘパリン群、LMWH群で減少し(65% vs. 58% vs. 59%)、血栓合併症の増加も認められなかった。6ヵ月死亡率は、標準用量ヘパリン群50%、低用量ヘパリン群42%、LMWH群44%であった。
評価
ECMO患者の抗凝固療法として、低用量ヘパリンとLMWHは一次アウトカムで標準用量ヘパリンに劣らず、さらに出血リスクを低減した。
既存のエビデンスは小規模試験・観察研究が中心であったものの、抗凝固目標を下げる方向を示唆しており、本試験はこれを確認した。


