HF管理においてトルセミドとフロセミドに優劣なし:TRANSFORM-HF試験の二次解析
Comparative effectiveness of torsemide vs furosemide in the management of heart failure patients: win-ratio reanalysis of the TRANSFORM-HF trial
背景
心不全(HF)患者の体液貯留管理においてループ利尿薬は不可欠だが、トルセミドとフロセミドの優劣は。
アメリカYale School of MedicineのTongらは、既存のTRANSFORM-HF試験のデータ(n=2,859)を用い、一次アウトカムである全死因死亡・再入院・およびKCCQ-CSSの改善を統合した階層的勝率(WR)枠組みによる二次解析を実施した。
結論
12ヵ月時点のITT解析において、調整後WRは1.07で、両群間に有意差は認められなかった。死亡追跡を延長した30ヵ月時点の補完解析でも調整後WRは1.06で、トルセミドの優位性は示されなかった。
評価
同試験のメイン解析(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2800428)における単一time to event解析の限界を補うため、患者中心の優先順位付けを行った勝率フレームワークによる二次解析である。薬理学的な理論的優位性が期待されていたトルセミドだが、死亡・再入院・生活の質(QOL)を複合的に再評価しても、ふたたびフロセミドに対する「勝ち目」は示されなかった。メイン解析のニュートラル結果を確定するものであり、日常のHF管理における利尿薬選択においていずれかをファーストチョイスとするエビデンスは存在しない。


