免疫不全患者の急性呼吸不全を国際調査:Efraim III
Epidemiology, ventilation, and outcomes of acute respiratory failure in immunocompromised patients from 103 intensive care units in 26 countries: a retrospective observational study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Lancet Respiratory Medicine
年月
May 2026
14
開始ページ
395

背景

悪性腫瘍や免疫関連疾患などの免疫不全患者において、急性呼吸不全(ARF)は集中治療室(ICU)入室の主要な原因となっており、死亡率は高い。
フランスUniversité Paris-CitéのAzoulayらは、世界26ヵ国103ヵ所の集中治療室で、ARFを呈する免疫不全の成人患者を対象として、基礎疾患・ARFの原因・管理などの患者データを収集し、30日死亡率(一次アウトカム)・気管挿管(副次アウトカム)と関連する因子を検討する後向コホート研究(Efraim III)を実施した。

結論

2017年から2023年に9,854名の患者が対象となった。患者の年齢は中央値64歳、40.0%が女性であった。免疫不全の主たる原因は、血液悪性腫瘍が48.3%、固形悪性腫瘍が38.7%であった。ARFの原因は62.0%が感染、53.7%は複数の原因を有し、15.1%は原因が特定されなかった。
30日死亡率は47.3%であった。
死亡率上昇の予測因子は年齢、併存疾患、フレイル、入院からICU入室までの期間、呼吸数、ICU入室時の昏睡、侵襲性真菌感染症によるARF、基礎疾患による浸潤・病変、原因不明のARF、血管作動薬の使用、腎代替療法の使用であった。保護的因子としては、固形臓器移植、全身性血管炎または結合組織病、高PaO2/FiO2比、高流量鼻カニューラ酸素療法、心原性肺水腫があった。

評価

免疫不全患者のARFを国際調査し、予後不良/良好因子を特定した。固形臓器移植患者や血管炎・膠原病患者では予後が良好で、免疫不全のフェノタイプに応じた戦略の必要性を示唆している。
なお、介入因子としては高流量経鼻酸素でのみ死亡率低下との関連が示唆されているが、同グループによる2018年のHIGH試験を含めRCTの結果は否定的である(https://doi.org/10.1001/jama.2018.14282)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)