パルスオキシメーターは肌の色が濃い患者では不正確
The impact of skin tone on performance of pulse oximeters used by NHS England COVID Oximetry @home scheme: measurement and diagnostic accuracy study
背景
パルスオキシメーターは指先などに光を当てて酸素飽和度を推定するため、皮膚の色によって推定に誤差が生じることが古くから知られていたが、COVID-19パンデミックによって一般にもパルスオキシメーターの使用が広がったことをきっかけに、この問題は医療における公平性の問題として可視化された。
イギリスUniversity of PlymouthのMartinらによるEXAKT studyは、イングランド24ヵ所の集中治療室で、酸素療法の臨床試験のためにスクリーニング・登録された重症成人患者(n=903)を対象に、COオキシメーターによる動脈血酸素飽和度(SaO2)をゴールドスタンダードとした各種パルスオキシメトリー(SpO2)測定値の精度、および皮膚の色調(分光光度計で測定)の影響を評価した。
結論
総計11,018回のSpO2-SaO2ペア測定値が解析された。
5種類のパルスオキシメーターは、SpO2低値では過大な推定値を、SpO2高値では過小な推定値を示した。皮膚の色が暗い患者(Individual Typology Angle [ITA°]が−44°)では、皮膚の色が明るい患者(46°)と比較してSpO2が平均0.6-1.5パーセントポイント高かった。
検討された2つの低酸素血症閾値(≦92%および≦94%)とも、肌の色が暗いほど偽陰性率が高くなった。SaO2が92%以下であるにもかかわらずSpO2が94%を超える割合は、肌の色が暗い患者で5.3-35.3パーセントポイント高かった(率比2.3-7.1)。
評価
NHSで一般に用いられる複数種類のパルスオキシメーターを検証し、肌の色の暗い患者ではSpO2値がSaO2値よりも高く示されることを確認した。
低酸素の見逃しという重大な結果に繋がりうるもので、パルスオキシメーターの使用に際しては常に念頭におく必要がある。


