小児敗血症の患者数・死亡数を新基準Phoenix criteriaに基づき推定:アメリカ
National Estimates of Pediatric Sepsis in US Hospitals Using Clinical Data

カテゴリー
救急医療、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2026
335
開始ページ
1321

背景

Phoenix criteriaは2024年に提案された、全身炎症反応症候群に基づかない新たな小児敗血症の基準であり、呼吸器系・循環器系・凝固系・神経系のポイントを合計することで従来よりも高い精度で敗血症・敗血症性ショックを診断することが可能とされる(https://doi.org/10.1001/jama.2024.0196)。
アメリカHarvard Pilgrim Health Care InstituteのRheeらは、Phoenix criteriaを電子健康記録データで利用な形に改変したPediatric Sepsis Event(PSE)を定義として用いて、アメリカにおける敗血症の疾病負荷を推定する後向コホート研究を実施した。
研究では、二つの電子健康記録データセット(Epic Cosmos, HCA Healthcare)における、日齢30日以降17歳未満の入院患者(n=3,926,809)のデータが使用され、敗血症罹患率・特徴・院内死亡率とその経時的変化が推定された。

結論

51,542件の敗血症症例が特定された(罹患率1.3%)。患児の平均年齢は6.6歳、44.3%が女児であった。うち72.6%は市中発症敗血症であり、61.6%は敗血症性ショックであった。院内死亡率は10.1%で、死亡に至った入院のうち17.8%が敗血症を呈した。
カルテレビューにおいて、PSE定義は感度69.9%、特異度93.1%であり、疾病分類コードよりも高い感度で同等の特異度を示した。
敗血症の全国症例数は2022年で18,231名、死亡者数は1,877名と推定され、症例数・死亡者数とも、2016年から有意な変化はみられなかった。

評価

EHRデータベースを用いた疫学推定自体は目新しいものではないが、本研究はPhoenix criteriaを改変したPSE定義を用いることで、アメリカにおける小児敗血症の罹患・死亡数に最新の推定を提供した。
院内死亡小児の約5人に1人で敗血症が関与している換算であり、改めて疾病負荷の大きさを印象付けるデータである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)