CCTAのAI脂肪指標(FRPHF)は心不全リスク予測に使える
Early Prediction of Heart Failure From Routine Cardiac CT Using Radiomic Phenotyping of Epicardial Fat
背景
冠動脈CT(CCTA)からの心外膜脂肪組織(EAT)指標が心不全(HF)リスクと関連する、という仮説がある。
イギリスUniversity of OxfordのAntoniadesら(ORFAN)は、HFや心筋梗塞の既往のない成人72,751名を対象とした多施設共同コホート研究を実施し、AIを用いたEATのラジオミクス指標(FRPHF)を構築し、その有用性を検討した。
結論
中央値5.1年および4.0年の追跡期間において、内部検証群で1,737名、外部検証群で363名がHFを新規発症した。FRPHFは優れた判別能(外部検証群のC-index: 0.850)を示し、FRPHFが25パーセンタイル上昇するごとにHFリスクは外部検証群で3.79倍有意に上昇した。FRPHFの最高十分位(>90パーセンタイル)群は、最低十分位(≦10パーセンタイル)群と比較して、HFリスクが約20倍高かった。
評価
日常診療のCCTAデータと電子カルテを紐付けた最大規模のラジオミクス解析で、画像に潜在する表現型情報から心不全リスクを予測できることを示した。従来のEAT体積やBMIでは捉えきれない質的リモデリングを定量化し、既存の臨床リスクモデルに対するこの指標の追加により、5年予測能(ΔAUC: 0.047)と純再分類改善度(NRI: 0.39)が大幅に向上した。
一方、今回のデータは英国国内施設に限定されており、光子計数CTなど最新技術への適用性や、他国の臨床現場への一般化の可能性については検証の余地を残している。


