ICU期から退院後まで切れ目のない遠隔ベース・リハビリでQOL改善:ブラジルTele-Rehab MV試験
Integrated Telehealth Rehabilitation and Quality of Life in Mechanically Ventilated Adults: A Randomized Clinical Trial
背景
重症患者に対する集中治療室(ICU)在室中からのリハビリテーション、退室後リハビリについてはこれまで多くのRCTが行われてきたが、長期的な生活の質に対する効果はまちまちである。
ブラジルHospital Moinhos de Vento HospitalのRosaら(Tele-Rehab MV)は、同国の公立病院20施設のICUをクラスターランダム化し、ステップウェッジ方式で遠隔多面的リハビリテーションプログラムを実装、侵襲的人工呼吸管理を要する急性低酸素性呼吸不全患者の90日健康関連QOLへの効果を検証するクラスターRCTを実施した。
介入では、ICUから一般病棟、退院後まで各段階にわたる総合的リハビリテーション戦略が実施された。
結論
1,916名の患者が登録され、介入群に1,063名、通常ケア群に853名が割り付けられた。
退院後90日時点での健康関連QOL(EQ-5D-3L utility score)は介入群で有意に高かった(0.16 vs. 0.12)。ただし、生存患者に限ると群間差は認められなかった(0.60 vs. 0.59)。
90日全原因死亡率は介入群で低下し(71.8% vs. 78.3%)、人工呼吸器装着日数も介入群で短縮した(9.9日 vs. 15.5日)。
評価
ICUから退院後までのリハビリを遠隔ベースで実現した介入群では、QOL、全原因死亡、人工呼吸器期間の有意な改善が認められた。
本試験の患者死亡率はICUの最重症集団と想定しても極めて高く、先進国に外挿可能とは考えにくいものの、専門人材・医療資源が限られた環境でも体系的なリハビリを実装できるモデルとして重要な意義を持つ。


