糖尿病前症患者への生活習慣・メトホルミン介入は超長期で多疾患併存を予防できるか?
Lifestyle and Metformin Interventions and Risk of Multimorbidity in Adults With Prediabetes
背景
高齢化に伴う多疾患併存(マルチモビディティ)の予防は公衆衛生上の重要課題である。
アメリカThe George Washington UniversityのSaliveらは、同国27施設から糖尿病高リスク成人3,234名を登録したRCT(糖尿病予防プログラム: DPP)のフォローアップデータを基に、同意が得られCMSデータが追跡可能であった1,173名(中央値74歳)を対象として、集中的生活習慣介入またはメトホルミン内服が21年間の長期的多疾患併存(15つの標的疾患のうち2つ以上を発症)のリスクに及ぼす影響を解析した。
結論
21年間の追跡期間終了時点で全体の85%が多疾患併存を経験した。プラセボ群と比較して生活習慣介入群は2つの慢性疾患を発症するリスクが21%低く、3つの慢性疾患を発症するリスクは25%低かった。一方、メトホルミン群とプラセボ群との間には有意なリスクの差は認められなかった。この生活習慣介入による抑制傾向は、定義から糖尿病を除外した場合や、高コストな2疾患の組み合わせ(dyads)に限定した解析(HR: 0.5)でも一貫して認められた。
評価
糖尿病前症患者を対象として、21年間という超長期にわたってRCT参加者を追跡し、単一疾患(DM)でなく多疾患併存を一次アウトカムとして評価したユニークな研究である。生活習慣介入は有効だが、メトホルミンは無効だった、という結論にもインパクトがある。生活習慣プログラムの持続が、医療費抑制と健康的エイジングの双方を支援しうることを示した。なお、この研究は保険請求データから一次アウトカムを同定したものであり、また同意が得られなかった参加者のデータは含まれていない。


