体位性頻脈症候群患者に広範コンプレッションガーメント
Compression Garment Reduces Orthostatic Tachycardia and Symptoms in Patients With Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome
背景
体位性頻脈症候群(POTS)に対する下半身コンプレッションガーメントの有効性は検証不十分である。カナダUniversity of CalgaryのRajらは、POTS患者30名を対象にコンプレッションガーメント(なし・下肢・腹部・下半身全体)の有効性を検証した。アウトカムは、心拍数(HR)を中心とした血行動態指標である。
結論
Head-up tilt試験にてコンプレッションガーメントはコンプレッション面積依存的にHR減少と関連し(p<0.001)、1回拍出量と収縮期血圧は腹部・下半身全体のコンプレッションガーメントで改善した(p<0.001)。症状スコア(VOSS)も面積依存的に改善した(p<0.001)。
評価
POTSへの血管コンプレッション効果を主にHR指標で検討したもので、小規模試験だが有効性を担保した。POTSはサブタイプによって病態が異なるため体位非依存的な検証も必要である。