hs-CRPとNLRの併用でPCI後の心血管リスクを予測
Prognostic Impact of Combined Inflammatory Markers in Patients Undergoing Percutaneous Coronary Intervention
背景
ガイドライン推奨基準までLDL-C値を下げても残存する心血管リスクに対し、全身性炎症を示すhs-CRPと細胞性炎症を示す好中球・リンパ球比(NLR)を併用した評価法は有用か。
アメリカMount Sinai HospitalのMehranらは、同病院で2012〜2022年にPCIを施行した患者7,303名を対象に、hs-CRP値およびNLR値で層別化した後向観察研究を行い、1年以内の主要不良心血管イベント(MACE)(一次アウトカム)および出血リスクとの関連を解析した。
結論
7,303名中、hs-CRP(>2 mg/L)とNLR(上位25%以上)が共に高値の群で一次アウトカムの発生率が最も高かった。多変数調整後、hs-CRP高値群(3,708名中945名)におけるNLR高値は、全原因死亡および心筋梗塞を主因とするMACEリスクの有意な上昇と関連していたが(HR: 1.83)、hs-CRP低値群では調整後に有意差が消失した。また、NLR高値はhs-CRP層に関わらず、院内イベントを中心とした周術期出血リスクの増加とも一貫して関連した。
評価
hs-CRPとNLRによる心血管疾患リスクの評価に関する先行研究は多いが、これはPCI後患者のリスク予測に関する最大の観察研究である。NLRとhs-CRPの併用が、虚血と出血のトレードオフを予測する低コスト手法であることを確認したが、ガイドラインでクラスI推奨とされるためには、カットオフ値が確定された具体的な予測ツールになる必要がある。


