院内心停止での炭酸水素ナトリウム投与はベネフィット示せず:BICHA試験
Sodium Bicarbonate for In-Hospital Cardiac Arrest: A Randomized Clinical Trial
背景
心停止中・心停止後では重度の代謝性アシドーシスが生じ、心収縮力の低下、カテコラミン反応性の減弱などの影響を及ぼすと考えられている。炭酸水素ナトリウムの投与はアシドーシスの影響を軽減する可能性があるものの、心停止に対する炭酸水素ナトリウム投与のエビデンスは限られ、ガイドラインもルーチン使用は推奨していない。
デンマークAarhus University HospitalのGranfeldtら(BICHA)は、同国の21施設で院内心停止によりアドレナリン投与を受けた成人患者を対象に、炭酸水素ナトリウムまたはプラセボの静注を割り付け、自己心拍再開・その他のアウトカムを比較するRCTを実施した(n=913)。
結論
779名が一次アウトカム解析の対象となった。
自己心拍再開率は炭酸水素ナトリウム群で39%、プラセボ群で37%と差がなかった(リスク比 1.05)。
30日時点での生存率は炭酸水素ナトリウム群で12%、プラセボ群で9.1%であり(リスク比 1.25)、機能的良好アウトカム率はそれぞれ8.1%、5.4%であった(1.39)。心停止後のアルカローシス・高ナトリウム血症は炭酸水素ナトリウム群で多く認められた。
評価
自己心拍再開や30日アウトカムなどに有意な群間差は認められなかった。
アメリカでは院内心停止例での使用が増加傾向にあったようだが、本試験の結果からはルーチン使用は支持されない。


