血小板減少症による化学療法の減量・中止はロミプロスチムで回避可能か:RECITE試験
Romiplostim versus Placebo for Chemotherapy-Induced Thrombocytopenia
背景
化学療法誘発性血小板減少症(chemotherapy-induced thrombocytopenia; CIT)は、化学療法を受ける固形がん患者で一般的な合併症であり、重度の場合は出血リスクが上昇し、化学療法の延期や減量、中止により予後悪化につながる可能性もある。CITの治療は長らく支持療法が中心であったが、トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬は免疫性血小板減少症などで有効性が確認され、CITへの効果も有望視されている。
アメリカMassachusetts General HospitalのAl-Samkariら(RECITE)は、消化器がんに対してオキサリプラチンベースの多剤併用化学療法を受ける持続性CIT患者を対象に、3サイクルのロミプロスチムまたはプラセボの投与を2:1の比率で割り付け、CITによる化学療法の用量変更の割合を比較する第3相RCTを実施した(n=165)。
結論
ランダム化された患者の75%が大腸がん、13%が胃食道がん、12%が膵がんであった。ロミプロスチム群の72%、プラセボ群の61%がステージ4疾患であった。
化学療法の減量・延期・中止・中断がなかった患者の割合は、ロミプロスチム群で84%、プラセボ群で36%であった(オッズ比 10.16, リスク比 2.77)。
グレード3以上の有害事象はロミプロスチム群の37%、プラセボ群の22%に発現し、そのほとんどは化学療法の影響と考えられた。医師によって治験薬関連と判断された有害事象は、ロミプロスチム群で12%、プラセボ群で7%に認められた。いずれも重篤ではなく、死亡または治験薬ないし化学療法の中止には至らなかった。ロミプロスチム群では血栓塞栓症が2%で認められた(プラセボ群は0件)。
評価
オキサリプラチンベースの化学療法を受ける消化器がん患者へのロミプロスチム投与によって、多くの患者で予定治療の継続が可能となった。
現時点では、この治療維持が生存アウトカムの改善につながるかは未明であり、TPO受容体作動薬に特有の血栓リスクについても慎重な評価が必要であるが、これまでCITのために化学療法を断念・変更せざるを得なかった症例に新たな選択肢をもたらす有望結果である。


