救急外来の敗血症疑い患者でのプロカルシトニンガイド試験は意外な結果:PRONTO試験
Procalcitonin testing combined with NEWS2 evaluation compared with usual care based on NEWS2 for identification of sepsis and antibiotic initiation in the emergency department in England and Wales (PRONTO): a multicentre, randomised, controlled, open-label, phase 3 trial
背景
敗血症では早期からの抗菌薬投与が重要であるが、敗血症と類似した症状を呈する非感染性疾患も多く、救急外来で正確な診断をすることは困難である。そのため、ガイドラインは敗血症疑い例での早期抗菌薬投与を推奨しているが、救急外来で敗血症として治療を受けた患者の最大3割は感染症ではないというデータもある。
イギリスLiverpool University Hospitals NHS Foundation TrustのToddら(PRONTO)は、イングランド・ウェールズの国民保健サービス(NHS)トラスト・委員会に属する20施設の救急外来において、敗血症が疑われる成人患者に対し、通常ケアまたはプロカルシトニン(PCT)ガイドケアを割り付け、3時間以内の抗菌薬静注開始(優越性)および28日死亡率(非劣性)を評価するRCTを実施した(n=7,667)。
PCTガイド群では、ベッドサイドでのポイント・オブ・ケアPCT検査が実施され、早期警戒スコアNational Early Warning Score(NEWS2)と組み合わせて、重症度に応じた治療(抗菌薬静注・輸液を含む)が実施された。
結論
トリアージ評価から3時間以内の抗菌薬静注は、PCTガイド群48.4%、通常ケア群48.2%と差がなかった。
一方で28日死亡率は、PCTガイド群13.6%、通常ケア群16.6%であり、PCTガイド群の非劣性および優越性が示された。
PCTガイド群の64.7%では、PCT検査の結果が臨床的意思決定において考慮されていた。また、死亡率の改善は事前指定サブグループ解析、感度解析、二次解析では説明不可能であった。
評価
PCTガイドの導入により想定されていた抗菌薬開始はまったく減らなかった一方で、PCT群の安全性を確認するための非劣性エンドポイントであった死亡率についてはPCT群で低下する、という意外な結果がもたらされた。
PCT検査結果が初期診療における曖昧さを低減し死亡率の低下につながった可能性もあるが、サブグループ・感度解析でも説明因子は見つかっておらず、解釈は難しい。


