TriClipによるTTVRの有効性・安全性検証は最終段階へ：TRILUMINATE
Transcatheter Edge-to-Edge Repair for Treatment of Tricuspid Regurgitation
背景
三尖弁逆流（TR）の経カテーテル治療（TTVR）の安全性・有効性は結論に近づく段階に達している。ドイツHeart Center University HospitalのNickenigら（TRILUMINATE）はTR中等度以上の患者85名を対象として、TriClip三尖弁修復システムによるedge-to-edge法の安全性と有効性を検証する多施設共同前向シングルアーム試験をおこなった。
結論
1年後、ベースライン時（8%）と比較して71%の患者でTRが中等度以下に軽減した（p<0.0001）。NYHA・6MWD・KCCQスコアにも有意な臨床的改善があり、有意な逆右室リモデリングが観察された。主要有害事象の発生率と全原因死亡率は各1年で7.1%であった。
評価
MRでのMitraClipに相当する標準形をめざすデバイス・手法で、有望な結果を出した。この試験の継承を含め、より大規模化したランダム化試験が二つ行われており（TRI-FR：https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04646811、TRILUMINATE Pivotal Trial：https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03904147）、ポジティブ結論が近そうである。
