HER2陽性進行胃がんでZanidatamab+チスレリズマブ+化学療法がOS延長:HERIZON-GEA-01試験
Zanidatamab with and without Tislelizumab in HER2-Positive Gastroesophageal Cancer
背景
HER2陽性の胃がんに対してはトラスツズマブを含む化学療法が標準治療として確立しているが、トラスツズマブ以降、ファーストラインでこれを置き換えるHER2標的治療は現れていない。一方、KEYNOTE-811試験は、HER2陽性胃がんに対するトラスツズマブ+免疫チェックポイント阻害薬の有効性を実証した。
日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のShitaraら(HERIZON-GEA-01)は、世界33ヵ国で、HER2陽性が確認された進行した胃がん・食道胃接合部がん患者を、HER2標的二重特異性抗体zanidatamab+抗PD-1抗体チスレリズマブ+化学療法、zanidatamab+化学療法、トラスツズマブ+化学療法による一次治療へと1:1:1の比率で割り付け、無増悪生存期間・全生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=920)。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、zanidatamab+チスレリズマブ群12.4ヵ月(ハザード比 0.63)、zanidatamab群12.4ヵ月(ハザード比 0.65)、トラスツズマブ群8.1ヵ月であり、zanidatamabを含む群で延長した。
全生存期間(中央値)はzanidatamab+チスレリズマブ群26.4ヵ月(ハザード比 0.72)、zanidatamab群24.4ヵ月(ハザード比 0.80)、トラスツズマブ群19.2ヵ月であり、zanidatamab+チスレリズマブ群とトラスツズマブ群の比較でのみ有意な差が認められた。。
グレード3以上の有害事象はzanidatamab+チスレリズマブ群の83.3%、zanidatamab群の73.8%、トラスツズマブ群の74.5%で認められた。
評価
Zanidatamabと化学療法の併用はPFSについてトラスツズマブ+化学療法を上回り、チスレリズマブとの三剤併用はOSについてもトラスツズマブ+化学療法を上回った。
Zanidatamabは日本では未承認であるものの、日本も参加する国際試験でトラスツズマブを上回ったことのインパクトは大きい。KEYNOTE-811試験のペムブロリズマブ+トラスツズマブ+化学療法レジメンに続いて、HER2陽性胃がんの一次治療を再定義する結果となりそうだ。


